Q&A (電気電子)

【CADソフト】Fusion360ユーザーがFreeCADへ簡単に乗り換えられるか試してみた話

結論、結構簡単にいけそう。

特に内容はないですが、みんなも一回FreeCAD試してみていいんじゃない?って話です。

無料のCADソフト、FreeCADを試してみる

無料、というワードに取りつかれるといろいろ環境が崩壊していく、というのはよくある話かと思いますが、それでも無料というワードに惹かれずにはいられないのが人間というもの・・・・

そんなわけで、今回は無料のCADソフトである"FreeCAD"を試してみます。

無料で"使える"ことを謳っているCADソフトは、Fusion360やOpenshepe等、思ったよりも多くあるのですが、利用に関する制限や規約まで解放されているものとなると、なかなかありません。

その点で、FreeCADは商用利用無料、拡張機能豊富なのでかなり優良ソフトかな~と思います。

おそらく個人利用で最も普及している無料CADはFusion360かな~と思いますが、自分も利用者の一人です。

ただ今後、Youtubeの動画に使っていきたいな~となると商用のラインがグレーになる(収益化前?後?みたいな・・・)ので、今回思い切って使ってみました。

ちょっと話がそれるのですが、学校の実習とかってフリーのCADソフト使ってほしくないですか???

学校関係はスクールライセンスとして企業向けの設計ソフトを安く使えるようになっていることが多々あるんですが、

正直言っちゃうとねぇ・・・・

環境として微妙。

僕のいた高専では設計実習でAutodesk社のAutoCADを使っていたんですが、正直言って無料ソフトで講義してほしかったですね・・・

理由は単純。個人で買うにはさすがに高い。

ソフトとして非常に優秀なので、高すぎる!なんて文句は言えたものではないのですが、さすがに個人ユースで中古車が買える値段のソフトをポンポンとサブスクリプションするのはキツイです。

授業中に興味を持っても、とてもじゃないが学生が個人で買えない値段のソフトだったら興味が発散しちゃうんですよぉ・・・
(違うソフトで始めようと思ったら、チュートリアルがしんどすぎて他の事やりたくなった。。。みたいな・・・)

企業に入ったら使えるように~みたいな意識からモノホンのソフトを使っていこう!みたいな指針が学校側にはあるんだろうなと思いますが、個人的には興味や意欲を帰宅後も維持できるような環境の方がいいかな~と思います。

愚痴はこのぐらいにしておいて話を戻しますが、FreeCADは下記からダウンロード可能です。

CADソフトのはずなんですが、インストールサイズが数Gbyteととても容量が小さいです・・・・

ネットに転がっている説明書を参考にモデル作成を練習する

FreeCADは拡張機能が豊富なこともあってか、ネットにゴロゴロ情報が転がっていますが、個人的にチュートリアルとしてわかりやすかった下記の2つを紹介します。

●神戸高専 様 CAD実習資料

課題の説明に従ってモデルを作成できます、自分もこの授業受けたかったかな・・・

●ベクトルドロー・レベルゼロ 様 ⇦ めちゃくちゃ情報豊富です、最高。

今回は神戸高専の資料を見て、ツールの使い方でわからないところを2つ目のサイトで調べながら進める、という感じでやってみました。

一通り簡単なモデル作成を行うと、使い方の感覚がつかめるのでは、と思います。

Fusion360を使ってきたライトユーザー視点での感想:いいところ

5時間くらい使って設計を試してみたので、簡単に感想を述べてみたいと思います。

僕の設計スキルは3Dプリンタで好みのパーツを作るぐらいのレベルなのでかなり低いと思いますが、ライトユーザーの参考にはなるかもしれないので少し意見してみます。

Fusion360から乗り換えてみた感想を少し書いてみたいと思います。

動作がとても軽い

動作が軽い。

あと思っていた10倍くらい使いやすい。

Fusion360あたりを使っていると、FreeCAD当たりのUIデザインがWindows7ぐらいの時代のものに感じられて、なんとなく食わず嫌いしていたところがあったのですが、全然そんなことはないですね・・・

ぱっとみ性能しょぼそう、使いにくそうとか思ってごめん・・・・

1つモデルを完成させてみた時点での感想ですが、Fusion360からFreeCADへの乗り換えは案外簡単そうです。

3Dデータの出力形式が豊富

これは3Dプリントする人限定かもしれませんが、3Dデータのエクスポート形式がかなり豊富です。

スライサーソフトによって対応可能なファイル形式が変わったりするので、特に気にせず使えるのはいいな~と思います。

ギヤ作成のツールが標準搭載

この機能は使いやすいとか使いにくい以前に、

シンプルに、うれしい。

だってギヤ描くのめんどくさいんだもん・・・・

手動でモジュールとかピッチ円直径とか考えながらスケッチして設計できなくもないんですが、正直疲れます・・・

コマンドでポンポン作れるのはかなりありがたいです。

有料ソフトでもギヤ作成は対応していない(手書きのみ)だったりするので、この辺はかなり助かります。

各データがローカルにあるので操作がしやすい

3Dデータの保存データがローカルにあること。

これねぇ・・・結構違いますよ。

いままでFusion360だったんでデータはすべてクラウド上にあったんですが、正直インポート、エクスポート、移動がもたつくので結構ストレスでした。

あとクラウドにあっていつデータが消えるのかわからない(無料版は年々いろいろ制約追加されてます・・・)のが地味に不安でした。

有償契約してないならデータはローカルにあった方がなんとなく安心できるかな~と思います。

直近で編集したデータも保存場所に寄らず下記のようにまとめて表示してくれます。

冗長な拘束の競合がとても分かりやすい。

これねぇ・・・・・

マジ最高。

Fusion360で一番気に入らなかったのが拘束の挙動だったんですが、FreeCADではこれがかなり優秀。

設計中はスケッチの位置固定をするために拘束を多用せざるを得ない場面があると思うのですが、何で拘束が競合しているのかわからないときが多々あるんですよね・・・

あとトリムすると拘束が消失したりするのがとてもストレスでした。

この点、FreeCADはかなり良くできてます。

拘束が競合した場合も以下のようにどの拘束が競合しているのかを簡単に把握することができます。

拘束名の左のチェックボックスを操作することで一時的に外したりできるのもかなり使い勝手がいいです。

気になる点

気になる点も少しあったので書いてみたいと思います

さかのぼって修正することに向いていないかも

さかのぼって加工を修正したい・・・ということはよくあるかと思いますが、この点はあまり向いてない気がしました。

いや、うん。。。上手に設計できたらさかのぼる必要ないのかも・・・・(単に設計能力がカスい説が濃厚・・・)

寸法修正は問題ないのですが、そこに存在したはずのオブジェクトやスケッチをさかのぼって消すと、まったく関係ないはずの場所のフィレット加工などもおかしくなる・・

といった動作がちょいちょいありました。

なんだろう、各エッジとかを番号で記録してるっぽい??ような挙動でした。

以下の画像で言うと、本来は下の長方形の周をフィレットの対象ラインに選択していたのですが、さかのぼって一部加工を変更したところ、下記のように内側の関係ない線が選択されました。(同じような操作を他にもやってみたのですが、毎回なるみたいです)

ただこれは本来やらない方がいい(Fusion360でもうまく補完してくれないときがある)操作なので、個人的には設計の順序を見直すきっかけになっちゃいましたね・・・

フィレット加工が苦手な(できない)場所がある

フィレット加工についてですが、Fusion360ほど補完が効いてはくれない感じでした。

例えば下記の画像で、円筒の側面から下の直方体に向かって支えのようになっている柱でもフィレットを入れているのですが、円柱への接続部分と直方体との接触面の部分で演算がうまくいかないらしく、無視されます。

ぶっちゃけこんなところに無理やりフィレット入れるくらいならフォーム加工でいじると思うので、特に気にならないかな~と思います。

Pad加工 (fusion360では押し出し加工)で穴あけする際に多少のクセあり?

個人的に図面を増やしすぎるとどこに何を描いたか分かりにくくなるので、以前作成したスケッチに上書き~ということをよくやっていました。

なのでスケッチ面と実際の加工を行う面の間にオフセット距離が開いている、ということはしょっちゅうでした。

FreeCADの場合はスケッチ面からの押し出し加工が基準になるらしく、いわゆる”オフセット平面から”、”この面から”といった指定ができないっぽいです。(見つけられてないだけかも・・・・見つかったら修正します)

例えば下記のように、穴加工を2段にするような場合、2つのスケッチをまとめて1つの面に作成し、面を選択して後から2つの押し出し操作で加工する場合。

Fusion360だと簡単にできるのですが、FreeCADの場合はスケッチがどこから始まるか?をちゃんと指定しないといけないようです。

以下のように、スケッチの"Position"を、オブジェクトの位置と合わせて設定すれば、その面から加工を開始できます。

スケッチを一枚にまとめずに、1つの面に新しいスケッチを作成するやりかたなら気にならないので、このてんも自分のやり方を変えれば合わせていけそうだな~という印象です。

リプレイ機能について

リプレイ機能については「モデル」ウィンドウに表示された各加工を選択することで、その時点での加工状態が表示できます。

Fusion360同様の機能ではありますが、個人的に若干癖があるかな~という印象でした。

今のところ気になった点は以上かな~と思います。

FreeCADで設計したモデルをテストプリント

今回は使い勝手を見るために、ネットでみつかった神戸高専のCAD課題①を設計してみました。

別に印刷する必要もなかったんですが、なんとなく印刷。。。。

出力ファイルの形式はかなりたくさん選べるので、どのスライサーソフトでも困ることはないかな~と思います。
(ほとんど.STLだと思いますが・・・)

完成した部品は下記。

最近はあまり3Dプリントをしてなかったんですが、やっぱり楽しいですね・・・

エクスポートしたデータに関しても、全く問題なさそうです。

まとめ

今回は無料で使える FreeCAD を使ってみました。

個人的には、Fusion360からの乗り換えはすんなりできそうな印象です。

致命的に気になる点もなく、動作もサクサクだったので今後はメインに使っていけそうな印象。

いろいろ試してみようと思います。

それでは、また。

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