今回はFreeCADのPartDesignにて、押し出し操作ができなくなる上記の警告について調べてみました。
解決方法がイマイチ示されないので、案外FreeCADの沼ポイントなんじゃないでしょうか・・・・(と、勝手に思ってます。。。。)
今回発生したエラーの症状について
今回発生したエラーは以下になります。
パートデザインで押し出し造形する際などに出ることがあるエラーになります。

エラーログは以下の通り。

直訳すると、
「結果が複数の固体を持つ:これは現在サポートされていません。」
よくわからん。
計算失敗、と表示されているだけで、何が悪くて造形が失敗しているのか今ひとつ判断できない感じです。
今回はこれが出る条件を少し調べてみたので、対処法と合わせて紹介してみます。
エラー発生条件
パターン1:一つのスケッチに閉じたスケッチが2つ以上存在している
まずエラーが出るパターンの一つ目は、押し出しが可能な閉じた線が、1つのスケッチに複数配置されている場合になります。
具体的なスケッチ例としては、以下のようなケースがあげられます。

上と下に同じような造形を作りたいのですが、まとめてやった方がスケッチ数が多くならずに済むので1つにまとめよう!といった感じで作った際にこんな感じのスケッチになるんじゃないかと思います。
この状態で押し出しをしようとすると、押し出し編集画面 になったとたんに以下のように設計物が何も表示されなくなります。

ここで押し出しタスクの「OK」を押すと、例のエラーがでます。

●対処法:
1つのスケッチ内に配置する閉じた線を、1つにするだけです。

消す際は青色の下書き線(コンストラクション線)にするだけでは効果がなく、スケッチ内から完全に消さないといけません。
ただ挙動が他の要因にも左右されるようで、押し出しができてしまう場合もあるようです。
パターン2:すでに作成済みのスケッチ/オブジェクトに隣接する場所で押し出ししようとしている
2つ目のパターンは、押し出ししようとしているスケッチの線が、すでに作成済みの造形物にぴったりくっついてしまっている場合です。
下記の例では、すでに作成済みのオブジェクトに隣接する平面にスケッチを配置し、押し出しを実行しようとしています。

スケッチの詳細を見てみると、以下のように既存のオブジェクトの角の線に接する面から造形を開始しようとしています。

すでに作成済みのボディーから、追加で造形をしたい場合にスケッチを追加した・・・というケースがあるかな~と思います。
この状態で押し出しを実行しようとすると、先ほどと同様、押し出し編集画面になにも表示されなくなり、タスクの「OK」を押すとエラーがでます。
●対処法:
対処法はスケッチの線をすでに作成済みのボディーの線、角と全く同一のラインに配置しないことです。
具体的には以下のような対処になります。

外側につけたいスケッチとは別に、すでに作成済みのボディーに若干被るように線を書いて、重複するように設計しています。
この状態で押し出しを実行すると・・・・

何も問題なく押し出しされました。
ここで、「造形が被ると変な線がオブジェクト上に入る。。。」「3Dプリンタで内側へ進出した部分が造形されると困る。。。」というケースがあるかと思いますが、そのような場合は以下のように、既存のオブジェクトへ侵食する幅を極小にします。

このような小さい値でも、1つ上の例と同じように、エラーを回避することができます。
これで一見した感じでは普通の追加の押し出しのような見た目になります。(オブジェクト上に多数の線が入らずに済みます。)
金属部品の造形や仕事で使う3Dデータならこんな力業な対処は絶対NGかもしれませんが、DIYユースならこれで十分かと思います。
FreeCADを使用している人の大半は3Dプリンタユーザー(が多いのではないかと勝手に思ってる)のですが、大抵のスライサーソフトではノズルの押し出し径より小さい造形物は無視してgcodeが作られる(or データとしてあっても造形されない)ので、まず問題はないかなと思います。
※パターン2のエラーに関しても、多少他の要因で押し出しできてしまう場合がありました。
おそらく新たに作ったスケッチによる押し出しが、「既存のオブジェクトからの追加操作」として認識されるか、この後に紹介するパターン3のように「オブジェクト内で複数のオブジェクトが発生してしまう異常なスケッチ」として認識されてしまうか、多少ばらついているのだと思われます。
パターン3:1つのボディー内で複数のボディが生まれてしまうようなスケッチが存在する
3つ目のパターンは、1つのボディ編集ウィンドウ内で、明らかにボディにつながらないスケッチを作成して造形しようとした場合です。
具体的には、以下のようなスケッチを配置して押し出しを実行しようとしたケースがあげられます。

スケッチの基準面とは別に、コの字型のオブジェクトを配置したい、後から橋渡ししてつなげようと思ってて・・・みたいな場合にやってしまいそうなミスです。
上記のスケッチで押し出しを実行した場合、たとえ一時的であっても、1つのボディ内で複数のボディが一時的に発生してしまうことになるため、押し出し禁止されます。
●対処法:
押し出しの基準面が、ボディに接する(or めり込む)ように段階的に押し出しを実行していくことで、エラーを回避可能です。
あくまでFreeCADが「1つのボディから延長して、さらにボディを配置しようとしている」と認識できるようにスケッチを配置し、順に押し出ししてやれば問題ありません。
まとめ
今回は押し出しが失敗する場合の原因と対処法を調べてまとめてみました。
最初の頃このエラーが原因で最初からスケッチを作り直す・・・みたいなことをたびたびやっていたので、もう少し早く調べればよかったな~と思いました・・・
昨年からFreeCADをボチボチと使用してるのですが、ちょっとずつコツがわかってきたような気がします。
また何かあれば適当にまとめてみます。
それでは、また。