どうもはじめまして。
今回は小ネタできな記事です。
3Dプリンタを購入してからはや1年ちょっと経ちますが、最初の頃はわくわくして待っていた印刷完成までの過程も慣れてしまえばただの印刷ですよね。
そうなってくると、いちいち小さい部品を何度も作ったりする作業がめんどくさくなったりするわけです。
今回はそんなときに役に立つであろう、
「複数の別々の3Dモデルを一度に印刷する方法」
について、解説したいと思います。
一度に複数の3Dモデルを印刷したい!
そこそこ大きなサイズの3Dデータを印刷する場合などは最大印刷サイズの制約上、基本的に一つずつしか印刷できないので問題はありません。
ですが、指先程の小さな部品を印刷する場合は話が変わってきます。
積層タイプの3Dプリンタはお世辞にも印刷速度が速いとは言えず、2~3cmほどの造形物でも1~2時間程度かかります。
加えて印刷のたびに毎回の基本動作としてビルドシートを一周するような動作があるため、少量ではありますが造形材料が無駄になります。
(造形物が小さいほど無駄な材料の比率が増えますよね。)
このような時間の無駄、材料の無駄は省けるのなら省いたほうがいいです。
ところがネットで適当に調べても、Fusionやスライサーソフトの操作などで同時に並べたりすることは結構工夫がいる用で、正直簡単なものは見つかりませんでした。
そこで今回は多少強引ではあるものの、プラモデル的な印刷方法にトライしたというわけです。
方法について
今回はやってみた感じで一番簡単だった方法を紹介します。
以前作成した以下の3Dモデルを例に解説していきたいと思います。
ソフトは「Fusion360」を使用しています。
こちらのモデルはメガネがずり落ちないよにするための固定具なのですが、サイズは厚さが4mm、長さが30mm、幅が6mmほどと、とても小さい部品です。
こちらを複数印刷したい場合、以下のように非常に細い立体で結合します。
説明するまでもなくわかるかと思いますが、
①同じオブジェクトをコピーして平行移動し、
②それらのどこか一点を細い直方体などでつなぐ
だけです。
これでちょっと力技ですが一つのオブジェクトとして認識させているわけですね。
いやぁ~、単純。
注意点にはなりますが、たいていのプリンターだとノズルの押し出しサイズが0.4mmくらいなので、これ以上補足すると認識されない可能性があります。
まぁ、認識されなかったところで問題はないかと思いますが、プレート上がフィラメントの糸だらけになる可能性があります。
また逆に太すぎた場合、3Dプリンタの「中を中空にして印刷する」という性質上、インフィルが100%ではない場合に切断箇所に穴が開いてしまう場合があります。
あくまで「一つの造形物として複数の物体(印刷したいもの)を認識させる」という事が目的であることを忘れないようにしましょう。
印刷品質
印刷品質について少し評価しておこうと思います。
複数印刷した場合は以下の画像のようになります。
問題なく複数同時に印刷されているのがお分かりかと思います。
糸引きが多いですが、この材料はTPUという軟性の素材そのものの特徴なので大丈夫です。
一つ一つのモデルの造形精度について
一個一個ばらして確認しましたが、
一つのモデルだけで印刷した場合の品質とほとんど変わりません。
参考までに設定をいくつか書いておきます。
- 3Dプリンタ:QIDI TECH X-MAKER
- レイヤー高さ:0.1mm
- ライン幅:0.4mm
私の使っている3Dプリンタは4万円程の廉価帯の製品ですが、問題なく印刷できました。
ちょっと宣伝になりますが、QIDI TECH製品は品質や性能、サポートの面でコスパが神なのでお勧めですよ。
あとあと記事にしようと思いますが、中華製で悩んでいるのならこのメーカーの他にないと思います。
保証期間限度まで後3日くらいだったのにメールしたら4時間ほどで返信が来て無料でユニットを送付してくれたのは衝撃でした。
5年以上経過した現在もメンテ0で正常動作していますが、仮に故障したとしても同じメーカーを買うと思います。
モデルをつなげるための直方体は印刷不可能なサイズでもいいかも
印刷物を見ると、気になる点があります。
それは、複数の部品を一つの部品として認識させるために使用した細長い直方体が見当たらない、ということです。
何度かやりましたが同じ結果だったので、
印刷サイズ的に無理だったのもありますが、3Dプリンタで造形できないサイズのものは無視されている、ということだと思います。
糸ひいてるやつがたぶん無理やり補足出そうとした残骸ですね。
多分このあたりから察するに、印刷されていなくてもデータとして一つのものになっているならば印刷はできる、ということなので、接続用の棒は印刷不可能なサイズでも問題ないのかもしれません。
ノズルがいったん離れるとモデルにバリみたいなものが若干つきますが、カッター等できれいに落とせるのでそこまで問題にはならないかと思います。
まとめ
今回は5個だけですが、手持ちの3Dプリンタの最大造形サイズを考えて上限ぎりぎりまで増やすこともできるので、いろいろ試しながらやってみてください。
印刷材料はTPUだと上記画像のようにノズルが他のモデルに移動する際に大量に糸引きする可能性があるので、
PLA、PLA+、ABS、あたりの硬質材料の方がきれいになるかと。
少々力技ではありますが、簡単にモデルの複数印刷を行う方法について解説してみました。
それでは。