今回はラジコン用に販売されている汎用の送信機、受信機セットを購入したので、仕様を調査してみます。
基本的にラジコンの送信機、受信機の信号はすべてECUが吸収してくれるのであえて調べようと思ったことはなかったです。
今回調べてみた感じ、おおよその制御仕様(PWM出力仕様)はどのプロポでも標準化されているようです。
今回紹介するRC用リモコン
今回はラジコン用のリモコンとして、かなりコスパの良いモデルを見つけたので、仕様の確認もかねてレビューをしてみます。
今回購入したのは以下の商品。
気に入ったので2個まとめ買いしました。
気になるスペックは下記の通り。
・技適認定:済み(重要)
・最大送信距離:最大4km、最小500m
・制御チャンネル数:8(PWMフルレンジ6ch、選択式2ch)
・2.4GHz対応
・価格:約8000円
う~ん、、、安い。。。。
最近の海外・中華製品の企業努力、マジ半端ねぇなと思う今日この頃。。。。
日本は電波法がしっかりしているので、外で本格的に使おうと思うと、技適対応は必須になります。
安価帯の製品を探していると、意外にこの段階で機種が絞られてしまんですが、1万円未満でこのスペックが買えるのはかなりうれしい。
早速レビューしていきます。
開封と外観チェック
準備中。
写真撮って後日掲載予定。
ペアリング方法の確認
まずはペアリングを行ってみます。
このプロポの電源入力スペックは、送信機、受信機とで以下のようになっています。
送信機:
・4.8V - 18V
受信機:
・3V - 15V
結構低い電圧まで対応しているのはありがたいところ。
ペアリング手順は以下になります。
①送信機側の電源を入れる。
②受信機側の電源を入れる。

③受信機側のタクトスイッチを押し、ペアリング状態にする。(LED長周期点滅→点灯へ切り替わる。)

自分の環境では電源入れたら何もしなくてもペアリングが完了しました。(工場出荷設定でペアリング済みのようです。)
最初ペアリング状態になっておらず、LEDが点滅している場合は受信機側のボタンを長押しすることでペアリング可能です。
送信機は電源を入れた直後、ビッビビッと音が鳴ります。
その後しばらくして、ビーッビーッビーッというブザー音が鳴り始めて止まらない場合がありますが、異常ではなくバッテリ切れです。
このプロポは単三電池を4本使用します。
1.2Vのエネループなどを使っていると、4本でも 4.8V 二しかならないので、最低動作電圧付近をうろちょろしてバッテリ残量低下警告が動作してしまいます。
1.5Vの乾電池を使うか、別の方法で電源を供給すれば問題ありません。
PWM仕様とサーボモータの制御範囲のチェック
続いて受信機から出力されるパルスの仕様をチェックしてみます。
R8FBは8ch全部をPWM、一部をPPM出力にする2モードがありますが、今回は8chすべてPWMモードで使う場合を試します。
最初にch1からch8までのPWM出力仕様を全て確認してみましたが、初期設定では違いはありませんでした。
CH5は3ポジトグルスイッチ、CH7は2ポジトグルスイッチになっていますが、いずれもあらかじめ設定された3段階、2段階のdutyを出力するだけで、特殊な仕様なありません。
今回は代表例としてch1の仕様を見ていきます。
まずレバーをニュートラル(直立)な状態にした場合のパルス幅は下記となります。

キャリア周波数は58.813Hz、最小dutyは8.893%になっていました。時間に換算すると 1,512 usになっています。
ch1(右側スロットル横方向操作)でレバーを左側いっぱいまで一番倒した場合のパルス仕様は下記でした。

キャリア周波数は58.813Hz、最小dutyは5.877%になっていました。時間に換算すると999usになっています。
スロットルを右側いっぱいまで倒した場合は、以下のようになりました。

キャリア周波数は変わらず58.813Hz、最大dutyは11.760%になっていました。時間に換算すると2,000usになっています。
ここで、このPWM仕様を変えられるのかどうか、取扱説明書を呼んで調べてみます。
取扱説明書は下記のサイトからアクセス可能です。
ここでページ中盤あたりに、PWMの分解能に関する記載あるので、これを確認してみます。
「セクション精度」という名前で下記のように分解能が記載されています。

パルス幅の操作分解能は12ビット、1セクションあたり 0.5 usの精度で操作可能と記載されています。
ここで出力可能なパルス幅の範囲を考えてみます。
1セクション当たり 0.5us で操作できるとあるので、これを分解能の数値である 4095 と掛け合わせてみると、、

となります。
つまり0 ~ 約2000us の範囲でパルス幅を操作できることになります。
先ほどの波形確認でレバーが中立状態の時は 1,512usのパルスが出力されることが確認できています。
これを考慮すると、受信機が出力可能なパルスは、1,512 ± 1000 us、ということになります。
これがT8FB、R8EFで扱えるパルスの仕様になります。
ラジコン用受信機の出力と汎用RCサーボの制御の関係を確認してみる
次は受信機のPWM出力を使用してTowerPro製 SG90サーボを制御することを考えてみます。
SG90の操作角度範囲は180度です。
入力パルスに対する角度の応答は下記のように記載されています。
・パルス入力範囲:500us~2400us
・パルス幅 1,450usの時:0度
・パルス幅 500usの時:マイナス90度
・パルス幅 2,400us1の時:プラス90度

ここで「ん、キャリア周期に関する記載がないぞ???」と思った方もいるかと思いますが、そう、その通りです。
受信機が出力している信号はPWMなのですが、サーボはキャリア周期を認識してduty判別して制御をしているわけではありません。
単にパルスのON時間だけを見て制御しています。
あまりRC用サーボについて詳しくなかったんですが、PWMのduty0-100%で全角度範囲とせず、単にパルス幅だけ見て角度を決める仕様は割と標準的なようです。
別の例として、Amazonで販売されている人気のパワーサーボ、DS3218では下記のようなパルス入力仕様になっています。

コのサーボは角度範囲が180度と270度に2タイプあるのですが、角度のフルレンジという観点で見ると、500-2500usでSG90とほぼ同じ仕様になっています。
こちらもSG90同様、キャリア周期に関する指定はありません。
う~ん、不思議な感じ。
T8FBの仕様と照らし合わせて、制御可能な角度範囲を考えてみます。
先ほどオシロスコープで測定したパルスでは、ON時間が 1500us を中心に±500usでパルス幅が変化していました。
このため、SG90などの汎用サーボは、-45度~45度の90度の振れ幅で動作することになります。
PC版パラメータ設定アプリの導入と設定可能な項目のチェック
だいたい受信機のPWM仕様はわかったので、以降は送信機T8FB、受信機R8FBの紹介をしてみます。
今回の送受信機セットは安価ながら、パラメータ調節アプリを使用してチューニングすることが可能です。
スロットルのゼロ位置補正や範囲制限など、詳細なパラメータ調節に対応しています。
個人的にサーボの可動範囲を90度ではなく180度フルに使いたいな~と思っていたりするので、そのあたりを変えられないか確認してみます。
パラメータ設定アプリの概要は、下記の公式サイトで説明されています。
パラメータ設定アプリのインストールは下記の公式サイト、「Parameter Setup Apps」から取得可能です。
スクロールしていくとスマホ版の次にPC版アプリが出てきます。(UI周りはスマホ版の方が視覚的でわかりやすそうな感じです。)
今回はリモコン本機のファームウェアアップデートは実施しないので、②の「parameter setup」のみダウンロードしました。

ダウンロードしたファイルを開くと、下記のような構成になっています。
一番下の「T8FB configure.exe」を起動します。

アプリはインストール不要で、ダウンロードしたexeファイルがそのままアプリケーションファイルになっています。
まずファイルメニューは以下のように4種類あります。

主に使用する調整パラメータは以下の4種類になるかな~と思います。
「ADVANCE MENU」、「FAIL SAFE」「AUX-CH」は飛行機などのラジコンに使う人向けっぽい高度設定なの今回は割愛します。

ここで、気になっていた角度範囲の設定ですが、180度全範囲は使えないことがわかりました。
「END POINT (終端位置)」がレバーを左右(上下)に倒し切った時の角度を示しているのですが、デフォルト値である90~90に設定すると、角度範囲としては±45の90度になります。±90度の180度にはなりません。
設定値の上限値は「120」で、この時、だいたい±60度振れるようになります。
全範囲、とはいきませんでしたが、ぶっちゃけラジコンに載せるサーボの角度範囲としては十分なので、特に困ることはなさそうです。
アプリで設定を書き込む方法
次はアプリを使用して設定値を書き込む方法を確認してみます。
まずリモコンの下部にあるUSB microコネクタ差込口にケーブルを接続し、PCに接続します。

次にwindowsでデバイスマネージャーを開き、「ポート」から送信機が接続されているポート番号を取得します。

私の手元にある送信機はのシリアル変換ICのCH340を使用しているようで、下記のように直接IC名が表示されました。
この場合「COM9」がポート番号になります。

次にアプリ側で「PortNum」からリモコンが接続されたポートを選択します。

ポートを選択後は「OPEN」を押すことで通信を開始します。
正常に通信できた場合は以下のように「OFF」以外のリストがグレーアウトします。

あとは適当に数値をいじって「UPDATE」を押せば、送信機へ設定が適用されます。
(ビープ音が1回なります。)
接続したまま値を調節→書き換えできるので、結構便利です。
注意点として、誤ったポートを読み込むと高確率でアプリが落ちます。一度落ちるとなかなか戻ってこないので再起動しましょう。
(exeファイルをクリックすると何枚でもwindowを重ねて開けるので、待たなくてもOK。)
まとめ
以上、RC用送受信機、T8FBとR8FBの仕様、ラジコン用サーボの制御しようを簡単に調査してみました。
特に○○用、という感じで専用機として売られているものではないですが、一般的なRC製品にならほぼほぼ問題なく使えそうな仕様でした。
サーボモータの可動域については少しだけ制限ができてしまうので、自作で全範囲使いたい場合はパルス入力仕様が同じでより角度範囲が広い270度サーボを使うか、他にマイコンや回路を用意してパルス幅変換する必要がありそうです。
(まだ見切れてないアプリ設定できそうな気もするので、もう少し探ってみたいと思います。)
また何か購入したら適当にレビューしてみます。
それでは、また。